前回の記事では、膨大な過去問をiPad miniとAnkiに集約して筆記試験を突破する方法をご紹介しました。 しかし、麻酔科専門医試験において真の恐ろしさを発揮するのは、筆記の後に待ち受けている「口頭試問」です。
今回は、知識があるだけでは容赦なく落とされるこの「最大の鬼門」を、いかにして効率よく、かつ確実に突破したか。私が実践した2つのステップを解説します。
専門医試験は「口頭試問」が鬼門である理由
筆記試験は「知っているか、知らないか」の勝負ですが、口頭試問は「知っている知識を、極度の緊張の中で、試験官の意図通りに瞬時に引き出せるか」が問われます。
- 「えーっと…」と黙り込んでしまう。
- 焦って的外れな合併症を答えてしまう。
- 試験官の誘導(助け舟)に乗れない。
現場でバリバリ麻酔をかけている優秀な先生でも、この「試験特有の空気感」に飲まれて不合格になるケースが後を絶ちません。だからこそ、専用の対策が必須になります。
「青本」の一問一答をAnkiに取り込む(インプット編)
口頭試問対策のベースとなるのは、受験生の間で通称「青本」と呼ばれている定番の参考書です。 この青本には、口頭試問で頻出する「一問一答(想定問答)」が豊富に掲載されています。
ここでも、前回の筆記対策と同じアプローチを取ります。
- 青本の一問一答部分をスマホで写真に撮る(またはスキャン)。
- Ankiアプリに取り込み、「表面:質問」「裏面:模範解答」のカードを作成。
- iPad miniを使い、手術の合間や当直の隙間時間でひたすら回す。
「喘息患者の導入で注意することは?」「抜管の基準は?」といった定番の質問に対し、頭の中で答えを組み立てる練習を繰り返します。これで「聞かれたら、反射でキーワードが口から出る」という基礎回路を作ります。
同期・指導医との「ガチ」シミュレーション(アウトプット編)
Ankiで知識を定着させたら、次は対人練習です。ここを怠ると本番で必ずフリーズします。
私は、過去の口頭試問の再現問題を用意し、同期や指導医の先生に「試験官役」をお願いしてシミュレーションを繰り返しました。
【シミュレーションの極意】
- 本番と全く同じ「時間制限」を設ける:時間が迫る中で焦りをコントロールする練習です。
- あえて厳しいトーンでお願いする:本番の試験官は必ずしも優しくありません。威圧感のある態度や、あえて沈黙を作るなど、リアルなプレッシャーをかけてもらいます。
- 声に出して答える:頭で分かっていることと、実際に言葉にして説明できることは全く別物です。
指導医の先生からの「今の答え方だと自信がないように見えるよ」「そのキーワードが先に出ないとダメ」といったフィードバックは、一人で本を読んでいるだけでは絶対に得られない財産になりました。
まとめ:Ankiで基礎を作り、対人練習で磨き上げる
口頭試問対策は、「隙間時間のAnkiで反射神経を鍛え、シミュレーションで実践力を磨く」のハイブリッドが最強です。 試験官も同じ麻酔科医。最終的には「この人なら、現場で安全に麻酔を任せられるな」と思ってもらえるような、堂々とした受け答えを目指しましょう。
さて、勉強法についてはここまでです。 次回は、「実際に専門医試験を受けてみたリアルな感想(筆記試験・口頭試問それぞれ)」をお届けします。試験当日の会場の空気感や、終わった瞬間の心境など、赤裸々に綴りますのでお楽しみに!
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